クッションフロアーのメリット・デメリット

04 / 10 / 2018

クッションフロアー

シート床材にはいろいろありますが、種類とそれぞれのメリット・デメリットを3回にわたってお話をしていきます。第一回目となる今回お話するのは、クッションフロアーのメリット・デメリットです。

シート床材の中でも、クッションフロアーは住宅の水回りに使用されることの多い素材です。クッションフロアーには、どのような特徴があるのでしょうか。そもそもクッションフロアーとは何か解説したうえで、クッションフロアーのメリットやデメリットについて紹介していきます。

クッションフロアーとは?

クッションフロアーは、塩化ビニル樹脂製でクッション材が裏打ちされたシート床材です。「Cushion Floor」の頭文字から、CFCFシートとも呼ばれています。クッションフロアーはデザインが豊富で、木目や石目、レンガ柄など様々な模様がプリントされた商品があります。模様に合わせて凹凸がつけられ、フローリング調やタイル調のものは溝や目地が凹凸で再現されているも特徴です。

クッションフロアーは、住宅用と土足で使用できる店舗用が展開されています。また、汚れが付きにくく、サッと拭いて落としやすい坊汚加工や、細菌の増殖を抑える抗菌加工、カビの発生や繁殖を防ぐ防カビ加工、臭いを抑える消臭加工といった機能が付加された商品もあります。

クッションフロアーは住宅では主に、洗面所やトイレ、キッチンといった水回りでの使用が中心です。デザイン性の高いものは、リビングダイニングや洋室にも用いられています。


クッションフロアーのメリット

床材にクッションフロアーを選ぶとどのようなメリットがあるのでしょうか。クッションフロアーの特徴をもとにみていきます。

 

価格が安い

クッションフロアーは、フローリングやタイルなどの床材と比較して、価格が安いことがメリットです。また、軽量で運搬がしやすく、カットが容易で変形した部屋にも合わせられ、接着剤などで簡単に施工できるなど施工性がよいため、工事費も低めです。

 

水に強く、メンテナンスしやすい

クッションフロアーは表面が塩化ビニル樹脂ですので、水に強くメンテナンス性に優れていることもメリットに挙げられます。床が濡れてしまったときには、布などで拭き取るだけで済みます。また、汚れがしみ込みにくいため、水拭きや中性洗剤を含ませた雑巾で汚れを簡単に落としやすく、汚れの跡が残りにくいことから、お手入れがしやすいです。クッションフロアーは、ワックスがけは基本的に必要ありませんが、ワックスをかけても問題はなく、長持ちさせるのに有効です。

 

足腰にやさしい

クッションフロアーは、クッション材が裏打ちされているため、衝撃が吸収されることもメリットです。歩いているときに滑りにくい、長時間立っていても疲れにくい、転んでもケガをしにくいといった利点があります。ただし、クッションフロアーは濡れると滑りやすくなる点に注意が必要です。

 

デザインが豊富

クッションフロアーは、デザインやカラーバリエーションが豊富です。たとえば、木目のフローリング調のクッションフロアーは、ナチュラル系やダークブラウン系、ホワイト系やグレー系など、木目のカラーで選べるだけではありません。メープルやパイン、オークなどの樹種をリアルに再現した商品も展開されています。石目調やタイル調では、大理石調やテラコッタタイル柄をはじめ、サブウェイタイル柄やモロッカンタイル柄といったものまであります。様々なインテリアスタイルに対応するデザインがあり、使用する場所ごとにイメージに合ったものを選ぶことができるのです。


クッションフロアーのデメリット

クッションフロアーは塩化ビニル樹脂にクッション材を裏打ちしてつくられていることから、デメリットもあります。

 

重いものを置くと跡がつきやすい

クッションフロアーはクッション材が裏打ちされているため弾力性がある一方で、家具などの重いものを置くと跡がつきやすく、耐久性が劣ることがデメリットです。加重が一点に集中すると凹みができやすいですので、テレビ台やサイドボード、ベッドなどを置くときは、板の上に載せることで跡がつくのを防ぐことができます。ダイニングなどで椅子による凹みを防ぐには、ラグを敷いておくのもおすすめです。また、凹みができてしまった場合、家具を動かして時間を置くと、多少は復元することもあります。

 

熱に弱い

クッションフロアーは熱に弱いこともデメリットです。タバコを落としたときや熱湯をこぼしたとき、アイロンを置いたときなどに、表面が溶けてしまうことがあります。

 

質感が劣る

クッションフロアーは木目や石目をリアルに再現しているとはいえ、表面は塩化ビニル樹脂ですので、本物のフローリングや石、タイルなどと比べると質感や風合いが劣ります。商品による違いもありますが、見た目が安っぽいと感じたり、表面がベタツキやすいため、足裏から感じる肌触りが悪気になったりすることがあります。


まとめ

クッションフロアーにはデメリットもあるものの、リーズナブルで水回りに向いた床材です。歩行性のよさや滑りにくさ、また、メンテナンス性のよさなどから、ペットのいる住まいでも使われています。クッションフロアーのデメリットの一つは質感の問題ですが、カタログやホームページからは、実際の質感がつかみにくい傾向があります。新築やリフォームで床材にクッションフロアーを取り入れることを検討するときは、サンプルを取り寄せるか、ショールームに足を運んで実際の質感を確認するとよいでしょう。

次回は、長尺シート・リノリウム (ビニル床シート・塩ビシート)についてお話をしていきます。

 

第一回目 クッションフロアーのメリット・デメリット

第二回目 長尺シートのメリット・デメリット

第三回目 フロアタイルのメリット・デメリット

 

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