HOUSE I / LDKが広がる家 | 戸建リノベーション
50代のご夫婦の為に設計した戸建リノベーション案のご紹介です。愛知県名古屋市北区に位置するこの物件は築20年180.7㎡
(55坪)の戸建住宅でご要望は「明るく広々としたLDKが欲しい」「家族とコミュニケーションがとれる書斎が欲しい」「温かみのある空間が欲しい」「断熱性の向上や設備の効率化による省エネ化をしてほしい」「明るい廊下がほしい」「バリアフリー化をしてほしい」と多様なご要望を受け計画を盛り込みました。リノベーションは元々の部屋の形状を活かした計画とすることで、コストダウンに繋がる為、今回は長方形の部屋という点を活かしてキッチンからリビング、ダイニングを見通す為の空間を作りLDKと廊下に間仕切りをかねた箱を設けました。
長方形の部屋という、もともとある特徴をいかして、キッチンからリビング、ダイニングを見通せる空間を作り、LDKと廊下に間仕切りをかねた箱を設けました。この大きな箱は収納、開口を設けることによりただ空間を仕切るだけでなく、機能的に向上するように工夫されています。更に、箱の中央に大きな開口を開け、暗かった廊下に光を届けるようにして空間にできる陰を無くしました。住宅にとって廊下はただの通路としての機能しか満たされていないことが多い為、光の入り方まで考慮されていない場合が多いですがライトの位置や向きを変えるだけでただの廊下だった空間が、新しい1つの部屋として生まれ変わります。そしてテーブル、椅子、棚を配することで、新たに書斎スペースを作り出しています。このために、本来隅に追いやれらがちな書斎もキッチンやリビングにいる家族とのコミュニケーションが取りやすくなっています。この大きな開口によって廊下がLDKの一部となるような一体感をつくり出すようになります。今回の様に決まった形状の部屋を活かして空間構成をする場合は「引き算」と「掛け算」が必要になってきます。今回では壁を設ける代わりに収納替わりの箱を設けています。つまり「壁×収納=箱」という構成を作り出すことで空間にゆとりを持たせる機能的な空間となるのです。
その為、新たな書庫スペースなどを設けることが出来、住みやすい空間が出来上がります。部屋同士の連続性を持たせる工夫としてはLDKから寝室に入る戸を引き込み戸にし、入って正面の壁を全面鏡にしました。 引き戸を開けっ放しにしておくことで、通風を確保しやすくするだけではなく、部屋を連続させて使用することが出来たりと、空間にて変化を待たせることも出来ます。又鏡によって生じる「奥行きが有るような錯覚」により、LDKがどこまでも続いているかのように感じられるよう計画しました。このように、個々の部屋がひと繋がりになり、家族・人の気配を感じながら生活できるように考えました。「狭い・暗い」と思いがちな勝手口も、大きな土間やホールを設けることによって、そこにランドリーや収納できる場所を作ることもできます。
更に、既設の窓から光を取り入れることによって、便利で快適な勝手口になるように工夫されています。動線と居住スペースとの区切りは折り上げ天井を利用しています。LDK、寝室部分の天井に少しの段差を付けることによって、動線と住居スペースが仕切られている様で仕切られていない曖昧な区切りを作り出しています。部屋同士の区切りは天井だけではありません。壁や天井を間接照明で照らす事で、光で照らされている部分と照らされていない部分で濃淡が出来るようにしました。このように部屋と部屋にすこし段差を付けることによって、壁がなくても区別することが出来るようになり、されに照明の効果で空間が立体的になり空間にメリハリが生まれます。
また 壁、天井と外気にふれる部分にはすべて宇宙船及び宇宙服の反射絶縁材料として宇宙産業に採用された、素材で覆っています。壁には調湿、防臭、防カビ,耐火性作用のある天然素材のみ使ったドイツの漆喰を利用しています。床材には、赤みのあるチェリーを使い、一部の壁に石や折上げ天井、箱の壁、一部の建具や造作家具には色が明るめの天然のメープル材を使用した化粧合板などを組み合わせて、上質感溢れる温かな雰囲気を演出しています。又エコファーム、既設サッシを二重サッシ窓にしたりと、よりオリジナリティ溢れ、しかも省エネ+快適に過ごせる空間を作りあげています。快適な空間とは、そこに住まう人だけでなく省エネ化して環境にも配慮された空間こそ快適な空間と言えるのです。
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