「土間」って何?その意味とメリット・デメリット
02 / 11 / 2018
現代の住宅で「土間」という言葉は、あまり聞き慣れませんよね。でも昔の日本家屋には必ず、この「土間」という空間があり、実は現代の住宅でも「ある場所」に土間スペースは残っています。また、最近のリフォームやリノベーションでも、この土間は再認識され注目を集めています。この「土間」とはいったい何でしょうか?そしてどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
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土間とは?
現代の住宅の玄関は狭いものが多く、空間と呼べる広さではないものがほとんどです。昔の日本家屋では玄関をくぐると、部屋との間に「土足で歩き回れる屋内空間」作られていました。この空間を「土間」と言います。現代の住宅に例えるなら玄関に近い空間です。
土間は基本的に外に面する屋内に設けられるもので、玄関から部屋にかけて土足から上履きに切り替わる部分に、土間を設けると有効的です。また玄関の他にも庭やテラスを繋げたり、玄関から土間を延長して部屋と部屋との間に設ける「通り土間」のような形で設置することもできます。屋内でありながら土足で入ることができるので、本来なら外でしかできないこともできる土間。その自由度の高さから、最近のリフォームやリノベーションで注目されている次第です。そのメリットとデメリットを見ていきましょう。
土間のメリット
土間とは単なる広い玄関と思ったら大間違いです。土間にはこんなにたくさんの可能性を秘めています。そのメリットを見ていきましょう。
汚れても良い、耐久性のある床
土間は、土足でそのまま上がれる屋内空間だけに、汚れにとても強く造られています。外と同じように水を撒くこともできますし、ホウキがあればすぐに掃除もできます。もちろん水を撒けるように、排水口などの設置が必要になりますが、屋内なのに外と同じようなメンテナンスができるメリットがあります。また、汚れだけではなく傷にも強く、外と同じような使い方ができるのもメリットです。
外にも内にもなり得る
土間では、通常の屋内ではなかなかできない、水を使ったり塵が舞う作業が行えるのはもちろんのこと、逆に通常は屋外でする作業も、雨を気にせず屋内ですることができます。また、玄関や窓回りに土間を設けることにより、臨機応変に土間を外にも内にも利用することができます。扉や窓を開ければ土間は外の空間と一体的に利用することができ、窓を閉めれば土間は外を切り取った中庭的に利用することができます。この外にも内にもなり得る空間ということが、土間の魅力でもあります。
様々な使い方ができる
土間とは、言うなれば「屋内の庭」みたいなもので、屋内外を問わず、様々な事ができます。その一例を挙げてみましょう。
- タイヤやスキーなどを収納、整備できる「倉庫」
- 自転車やバイクを置き、整備もできる「ガレージ」
- 天気に左右されない「子供の遊び場」
- 洗濯物の「屋内干し場」
- 日曜大工や創作活動を行う「工房」
- ペットの「洗い場」
などなど。この自由度の高さが、最近のリフォームやリノベーションでは注目されている「土間」です。
土間のデメリット
汚れに強く、耐久性も高くて、様々な使い方ができる注目の土間ですが、もちろんデメリットもいろいろあります。
他の住空間が狭くなる
現代の住宅の玄関が狭くなった理由は、他の住空間を広くとるためです。つまり玄関を広くするような土間を確保すると言うことは、他の住空間を狭くすることに直接繋がってしまいます。でも玄関まわりのリフォームやリノベーションの際に、隣接した部屋も含めて玄関スペースを検討すれば、土間スペースの確保も可能になります。さらにシューズインクローゼットなどと土間を一緒に計画すると、効率的に土間を造ることができます。
冷暖房が効きにくく冬は特に寒い
土間の床の仕上げは、土足でも歩き回れるようにコンクリートのままか、タイルのようなメンテナンスしやすく汚れに強いものが一般的です。その分、仕上げ単体では断熱性や保温性には優れておらず、土間ではエアコンなどの冷暖房があまり効きません。特に冬の土間は、床に冷気が溜まりやすく底冷えします。土間は空間的には屋内ですが、快適性は屋外と割り切りましょう。
段差ができてバリアフリー化しにくい
土間と他の住空間の間には、防水処理のためにどうしても「段差」ができてしまいます。水を撒いたりする際に役立つ段差も、将来的なバリアフリー化を考えると障壁になるかもしれません。もちろん、スロープ設置などで段差をクリアすることもできますが、土間を検討の際は将来的なバリアフリー化も考えておくのがおすすめです。
まとめ
古き良き日本家屋に多く見られた「土間」ですが、最近は住宅の欧米化にともない少なくなってきました。しかし、リフォームやリノベーションが盛んな昨今では、その自由度の高さから土間が再注目。特に庭がないマンションでは、屋内なのに屋外的な利用方法ができる土間は、注目が集まっています。リフォームやリノベーションで玄関まわりを変更する場合は、この土間も検討してみてはいかがでしょう?
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