木造軸組工法のメリットデメリット | リフォーム

14 / 02 / 2019

日本の木造住宅は、大きく二つのタイプに分けることができます。一つは、在来工法とも呼ばれている木造軸組工法、そしてもう一つは2x4工法です。それぞれ建て方が異なるものの、どちらにもメリットとデメリットがあります。

理想の家づくり、リフォームを目指す方に向けて、ここでは木造軸組工法のメリット、デメリット、さらにリフォーム時の注意点についてお伝えします。

 

木造軸組工法の3つのメリット

まずは木造軸組工法のメリットについて、みていきましょう。

 

自由度の高さ

柱と梁を用いて構造を組み立てる在来工法では、比較的自由に壁を抜いたり移動させたりといったことが可能です。設計の段階から自由度が高く、イメージ通りのデザインや間取りの希望が通りやすい点は、在来工法の大きなメリットといえます。特に窓や出入口などの開口部を大きく開けたい場合は、在来工法のメリットを有効活用できるでしょう。

 

リノベーション・リフォームへの適応性の高さ

木造軸組工法の場合、将来的にリノベーション・リフォームを行い、増築・減築をするときにも比較的対応しやすいといったメリットがあります。また、間取り変更や間仕切り壁の撤去なども比較的容易です。そのため、将来、家族構成や生活スタイルが変化した際にも柔軟に対応することができます。

 

施工可能な業者が多い

日本で古くから用いられてきた工法である木造軸組工法は、現在も多くの業者が施工可能です。そのため、選択肢の幅が広く自分に合った業者を選びやすくなっています。

 

木造軸組工法の3つのデメリット

様々なメリットがある木造軸組工法ですが、デメリットも存在しています。デメリットを理解した上で、どの工法を選ぶか、考えることをおすすめします。

 

品質のバラつきがある

木造軸組工法の場合、全てがマニュアル化されているわけではありません。そのため、大工さんの技術、経験によって出来上がりの品質が左右されると考えておくべきです。一般人から見て、大工さんの腕前はわかりにくいものですが、施工事例を見せてもらうなど、過去の実績について尋ねておくことで不安材料が減ります。

規格品や金物を使用するケースも増えているものの、信頼できる腕の良い大工さんとの出会いが満足度に大きく影響するといえるでしょう。

 

工期が長くなりがち

2x4工法と比較した場合、大工さんが作業する割合が多いため、工期が長くなるケースが多いです。工期が長くなれば、その分、現在の住まいの家賃も必要です。引越しが伴う場合は、子どもの学校入学などに間に合わせたいなどの都合もあるでしょう。

工期が長くかかることによるコスト増加もデメリットの一つといえます。

 

耐震補強に関する問題点

以前は木造軸組工法の住宅は、2x4工法に比べ耐震的に問題があるといわれていた時期があります。そういった点からデメリットの欄に記載しましたが、現在の木造軸組工法は使用する金物が発達・改良されているため、以前に比べ耐震性が高くなっています。耐力壁をバランスよく配置することにより、さらに耐震性を高めることができます。そのほか、木材の品質、大工さんの技術などから総合的に判断してください。

 

木造軸組工法の住宅をリフォームする際の注意点

前述しましたように、在来工法は本で最も多く用いられている建築工法です。柱と梁を用いて構造を組み立てていく関係上、比較的自由に壁を抜いたり移動させたりすることができます。ただし、天井や二階まで通っている「通し柱」、梁を支える柱などは抜くことができませんので注意してください。

木材軸組工法を理解している業者であれば、可能なこと、不可能なことについて納得のいく説明があります。通し柱を動かさずに、リフォームの目的を果たす別の方法を提案してくれるケースも多いです。

 

木造軸組工法は「間取りを変えたい」「現在の壁に窓を開けたい」といったリフォームには、最も適しているといえます。耐震を重視したい場合は、壁に構造用合板を使用する、筋交いを入れるといった方法もあるため、リフォームの際に相談することをおすすめします。

 

まとめ

木造軸組工法のメリットは、自由度の高さ、リフォーム・リノベーションとの相性の良さ、そして業者数が多く、選択肢の幅が広がる点にあります。その一方で、大工さんの職人技や知識に出来栄えが左右されることや工期が長くかかるといったデメリットがあることも忘れてはいけません。

 

デメリットを極力減らすためには、大工さんの施工事例などを実際に拝見し、気になる点については質問できる関係を築くことが大切です。

 

また、木造軸組工法の場合、増築・減築から従来の壁の部分に窓を開けるといった希望まで、幅広い要望のリフォームに対応できる点も大きなメリットといえます。家は建てたときがゴールではありません。10年後、20年後の家族構成や暮らしの変化とともに、リフォームの可能性も踏まえた上で、木造軸組工法を検討してみてはいかがでしょうか。


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