YOKOHAMA FLAT / 欧州風リノベーション
馬車道周辺の街並みは、煉瓦で舗装された道やガス灯風の街路灯など、昔の面影を残した建物や景色が望める為、観光地としても有名です。近代洋風建築も残っている為、建築好きには知る人ぞ知る名所となっています。今回の建主は東京での賃貸住まいから、2歳になるお子様がいることも考慮して新たに新居を購入しようとこの馬車道のマンションを見つけました。その中で、仕事と子育てを両立しながらも楽しめる空間づくりがご要望でした。
ご夫婦は在宅勤務で共働きということもありワークライフバランスを保ちながらもそれぞれのプライベートを大切にすることに重点を置き、その中でも仕事と暮らしのどちらかではなく「暮らす様に働ける空間づくり」となるように計画をしました。
まずプライベート空間である「寝室」と「お風呂」や「トイレ」などを分けて配置しました。その際、余分な空間ができてしまう為、その余白を緑の空間「広場」としました。
また「広場」の周りには小道を作りそこに空間を機能させる「仕事場」「キッチン」「書斎」「洗面」「収納」を配置し、生活行為や仕事環境が滲み出し、溶け合うことができる空間を考えました。家族の行動はそれぞれのライフスタイルに合わせて違ってきます。どうしても閉鎖的になりがちな仕事場や書斎を広場周りに作った小道空間に配置することで家族の目が行き届き、どこに居ても家族を感じられる計画を心掛けました。
「広場」は玄関ドアからバルコニー、さらに再び外部へと伸びていて、住まいの中を貫通する様になっています。また冒頭で説明した様に馬車道という地域は、歴史が残された景観が魅力的で、室内の壁や広場の周りの小道などレンガ調に仕上げることによって馬車道の延長のような空間となる様にしています。
人々がコミュニケーションを取れるような緩やかなものなので、お互いの距離間を保ち、気配を感じられるような、公私のグラデーションを作り出しています。さらに植栽は仕事の効率を上げることにも繋がり、ストレス社会においてリラックスしたい時などオン・オフの両方に効果的で、健康的でクリエイティブな空間を生み出しています。このように「広場」は居住者の生活シーンや状況に応じて全体と部分で様々な使われ方ができ、暮らしの変化にも柔軟に対応できるフレキシビリティを持った空間となります。
様々な空間が「広場」を通して連続していくことで、開放的で多層的な空間の繋がりを生み出しています。また、小さくさりげないマンションの一室から都市との繋がりを感じ、引っ越してきた新しい街の一部となる手がかりとなる平面プランにしています。共働きする夫婦にとって、ここは家族のリビングであり、子供の遊び場であり、また社会と直結した仕事場でもあります。お子様にとっては常に家族を感じられ、ご夫婦にとってはお子様の成長を常に見届けられる最適の空間になったと思います。近年では、共働きの家庭も増えてきて従来の壁で仕切られただけの住まいでは補いきれないこともあるかと思いますが、今回の様に家族間の距離感を考慮した「広場の周りに住まう」間取りは今後の住宅建築において必要不可欠な要素を教えてくれる計画であったと感じます。
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