子育てを考えたリフォームのポイント〜間取り変更編
25 / 12 / 2018
ここからは二回に分けて、子育てを考えたリフォームに関するポイントについて説明します。第一回目となる今回は、間取り変更に関する内容です。
子どもの成長や新たな家族の誕生などライフスタイルの変化に従い、必要となる間取りも変わるものです。特に子育て世代にとっては、家で過ごす時間が長いことから、子育てを考えたリフォームを行うことが、家族全員の満足度につながります。
まずは、子育てを考えたリフォームの中でも間取り変更に特化した具体的ポイントについて説明します。現状の住宅と比較しながら、確認してください。
Table of Contents
子育てを考えたリフォームの間取りで考える3つのポイント
子育てを考えたリフォームの考え方として、3つのポイントがあります。具体的な間取りやデザインを考える前に、基本を確認しておきましょう。
子どもとのコミュニケーションを意識した間取り
まずは何といっても、子育てを重視したリフォームである以上、子どもとのコミュニケーションのとりやすさを考える必要があります。完全独立式のキッチンに立ち調理をしている間は、全く子どもに目が行き届かなくなる可能性があり危険です。リフォームの一例として、オープンキッチンにすることがあげられます。リビングやフリースペースなどが見渡せる環境にすることで、子どもの様子を眺めながらの家事が可能となります。
リビングにスタディコーナーのような場所を設ける方法もあります。直接向き合いながら話をするだけが、コミュニケーションではありません。子どもと同一空間にいる、時折話しかけながら、子どもは勉強、大人は家事や自分の仕事をするといったスタンスの環境づくりも大切です。
ストレス軽減の家事動線
一見子育てと関係なく思えるかもしれませんが、通常の家事に加え子どもの世話が加わる子育て期間は、親にとっての負担も増える時期です。キッチンからダイニングへの配膳、キッチンからのゴミ出し、洗濯機の場所から洗濯物干し場までといった動線の一つひとつがスムーズに計算されていることで、細かなストレスがなくなります。スムーズな家事動線をイメージしたリフォームは、子育てにもプラスに働きます。
5年後、10年後の未来の姿
現在乳幼児である子どもも、年月を重ね成長します。子どもが小さな頃は、リビングで勉強していたとしても、大きくなるにつれ自分の部屋が欲しいと思うことが想定されます。また兄弟、姉妹も同じ部屋から、個室を求めるようになることもあるでしょう。
その一方で、大学への進学や就職に伴い、部屋が空くケースも考えられます。取り外しが可能な仕切りを設けるなど、柔軟性のあるリフォームも検討しておきましょう。
子育て世代におすすめの具体的な間取り変更とは?
考え方の基本を理解した後は、具体的な間取り変更に関するポイントを説明します。
オープンキッチン
下ごしらえから洗い物までの時間をふまえると、家事の中でもキッチンに立つ時間は想像以上に長いものです。リフォームの際にオープンキッチンに変更することで、家族との会話が生まれる、子どもに目が行き届きやすくなるといったメリットが生まれます。
ただし、オープンキッチンにすることで、子どもがキッチンに立ち入りやすくなることも想定するべきです。一緒に料理ができる年齢であれば問題ありませんが、幼い子どもが不用意に刃物や熱い鍋に触れてしまうことがないよう、一定の配慮は必要です。
スタディコーナー
勉強は、子どもだけのものではありません。リビングなどの一角に、親子共有のスタディコーナーを設けることで、親が学ぶ姿勢を子どもに見せ、良い刺激を与える効果が期待できます。キッチンから目が届く範囲に設置することにより、子どもとのコミュニケーションも取りやすくなります。
収納スペース
子どもが成長するにつれ、収納スペースが足りなくなるケースは少なくありません。リビングやダイニング、廊下などにも、ちょっとした収納スペースがあると便利です。掃除機などを片付けておく、急な来客の際に、散らかっていた子どものおもちゃを片付けるなど、いろいろな使い方が想定されます。
また、キッチンの中や周辺にパントリーを設置することで、週末に買いだめした食品の置き場に困るといったこともありません。サイズによっては食器や調理器具を入れる場所としても活用できます。
さらに最近人気の収納スペースのひとつが「ファミリークローゼット」です。家族全員のクローゼットとの意味があります。洗濯物を取り入れる場所の近くに設置することで、片付けがスムーズになったり、玄関の近くに設置することで帰宅後、部屋着にスムーズに着替えることができたりと、家事の時短、服の散らかり軽減などにも役立ちます。
ランドリールーム
今や、共働きをしながら子育てをする家庭は少なくありません。乾燥機を使い、残りは部屋干しといったケースも多いもの。さらに子どもの成長とともに洗濯物の量も増加し、家事の負担も増えてしまいます。ランドリールームを設置することで、洗濯に関する全ての作業を一部屋にまとめることで家事の時短が可能です。
まとめ
子育てを考えた間取り変更のリフォームを行う際のポイントは、現在の姿や状況だけにとらわれず、ある程度将来を予測することです。もちろん、全てが想像通りに進むわけではありません。しかし、一部屋を二部屋に分ける、またはその逆など臨機応変な対応ができるようにしておくことで、状況が変わったときにも、スムーズな対応が可能です。
また子育てを考えたリフォームを意識した場合、どうしても子どもの過ごしやすさ、子どもとの向き合い方に目が行きます。しかし、実際には大人(親)が快適に家事・育児を行うことができるかどうかも、重要なポイントです。親目線、子ども目線、どちらも大切にした上で、リフォームの間取り変更を進めることをおすすめします。
次回は、子育てを考えたリフォームにおいて重要となる、もうひとつの条件、設備変更についてお話をしていきます。
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