ISSHA House / リビングに家族が自然と集まる家| 戸建リノベーション

LDKリノベーション
Location:愛知県名古屋市北区
Area:103.92㎡

今回は、築41年木造二階建て住宅のリノベーション案をご紹介します。ご家族の構成は、20 代のご夫婦と1歳になるお子様です。

 

建物が建つ愛知県名古屋市周辺には、駅や郵便局、幼稚園などの公共施設が多数あります。通勤・通学、お子様を育てる環境としては、最適といえるでしょう。しかし、既存住宅は、過去に増改築を重ねていたため全体的に薄暗く重苦しい印象がありました。

 

今回のリノベーション案でのご要望は「光と風が抜ける家」「家族が自然にリビングに集まるような、くつろげるリビング」でした。減築による採光のほか、リビングを中心とした空間構成とデザインを心がけ、理想の住まいを実現しています。同時に、耐震および断熱対策も含めたリノベーションを行い、快適かつ安心・安全な家が誕生しました。

 

家事と暮らしが楽になる動線と間取り

既存住宅には、玄関横に洗面脱衣室・浴室があり、来客時であっても玄関を通らなければいけないといった生活動線に対する大きな問題がありました。この問題を解決するため浴室部分は「シューズインクローゼット」「ファミリークローゼット」に変更しています。訪問客の目を気にせず、洗面脱衣室・浴室に行けるだけでなく、帰宅から着替えまでの一連の流れをスムーズにするため、間取りを整理しました。

 

下記は、帰宅後の一連の流れです。

 

【玄関・シューズクローク】靴を脱ぐ

【ファミリークローゼット】バッグを置く・アウターを脱ぐ

【洗面脱衣室】手を洗う

【ファミリークローゼット】部屋着に着替える

【洗面脱衣室】脱いだ服を洗濯かごに入れる

 

無理なく自然な動線をつくることで、帰宅後の動きにムダがなくなり家族のストレス軽減につながります。お子様が成長された際にも、手洗いや着替え、片付けの習慣が身につきやすくなります。

 

家事が楽になるユーティリティ

毎日の家事のひとつである洗濯動線をスムーズにするため、水回りを一直線にしました。換気対策に加え、デザイン面を重視することで、毎日の洗濯が楽しくなります。洗面脱衣室からすぐに物干しスペースに行くことができ、家事の時短にもつながります。

 

洗濯物は、取り入れた後の片付けも大きなひと手間になりがちです。間取りを変え、洗面脱衣室とファミリークローゼットの距離を近づけたことで、乾いた洗濯物も、すぐにファミリークローゼットに片付けることができます。

 

下記は、洗濯に関する一連の流れです。

 

【洗面脱衣室】洗濯する

【屋外】洗濯物を干す

【屋外】洗濯物を取り込む

【ファミリークローゼット】畳む・掛ける・片付ける

 

減築リノベーションで自然な光を

既存住宅は過去の増築により、西側の一部に対し、採光や通気の障害が起こっていました。問題解決のため、ダイニングの一部を減築しました。新しく誕生したスペースからは太陽の光が入るため、外に洗濯物を干すことができます。

 

空間構成を変更する際に注意しなければいけない点としては、「何かを加えたら何かを無くさないといけない」ということです。今回は、採光や通気を重視したことで、減築により床面積は減少しています。しかし、洗濯物を干すスペースとして有効活用できる部分が増えました。単に面積だけでなく、生活の満足度、現在の住まいの問題解決を考えた上で、プランニングを行っています。

 

既存を活かしたLDKリノベーション

既存住宅では、ダイニング・キッチンとリビングが離れており、家族が集まる場所とは言い難い状況でした。今回のリノベーションを機に、LDKとしてひとつの空間にまとめました。対面キッチンを置いたことで、リビングで遊ぶお子様の様子を気にかけながら、料理をすることができます。家族とのだんらんはもちろんのこと、友人を招き食事会をする際にも、会話が弾むことでしょう。明るさと広さ、シンプルさを重視したLDKは、家族が自然と集まりリラックスできる空間、そして来客にとってもくつろぐことができる空間に仕上がっています。

 

リノベーションとは、単に古いものを新しくするだけではありません。既存部分を有効活用し、かつ、新たな見せ方を提案する場でもあります。今回の住宅では、一部の既存の古い柱を空間の長所として捉えました。単に残すのではなく、あえて主張することでデザイン性を重視しています。

 

また、対面キッチンの背後に広がる空間は、ウォークインタイプのパントリーとしてご用意しました。

 

自然素材のぬくもりを大切に

お客様のご要望により、仕上げ材には無垢材や自然素材で作った塗料や壁紙を使用しました。天井は無垢材とも相性が良いシナベニヤを使っています。お子様の健康、家族の健康な暮らしを叶えるとともに、自然素材ならではの質感を感じていただける住まいとなりました。自然素材独特のやさしさや温かみが、居心地の良い安らぎの空間を演出しています。

 

建具や内窓にはレトロなガラスを使ったり、窓枠にアイロン塗装を使ったりと、建物本来が持つ雰囲気を大切にしています。レトロなガラスには、光を取り入れるだけでなく、空間同士のつながりを感じさせる効果もあります。空間との相性、プライバシーの確保を意識しながらリノベーション工事を進めて行きました。

 

比較的暗めの色を好まれましたが、アクセントとして建具やカウンターにポップなアクセントカラーを入れ、落ち着きのある中にも華やかさや明るさを演出しています。家族団らんに加え、子育てのしやすさ、生活動線・家事動線を重視し設計しました。

 

まとめ

今回のリノベーションのポイントは、お客様のご要望に添いながら、デザイン面と実用性の双方から「家で過ごす時間がより楽しくなる空間」を意識した点です。デザイン面では、家のところどころにやさしいターコイズブルーを取り入れました。爽やかなイメージのターコイズブルーを味わいのある木材やモルタル調の天然壁材と組み合わせることで、ほっとできる、温かみを感じられる空間を演出しています。

 

また住まいの入り口である玄関を広げ、アール開口などを採用したことで既存住宅の印象を大きく変えました。さらに開閉可能なトップライトを入れたことにより、明るく風通しの良い住宅に仕上がっています。今回のリノベーションでは、既存住宅の問題を解消し、さらに隅々まで楽しんでいただける住まいへのご提案に注力し、設計いたしました。

 

 

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