憧れのモルタル床 メリット・デメリットと注意点
06 / 06 / 2019
何回もインスタグラムに投稿されたり、雑誌に掲載されたりしている家は、おしゃれなものが多いです。その中でも、最近特に人気が高まっているのがモルタル床です。元々、玄関や外構に取り入れられることが多かったモルタル床ですが、最近ではリビングやキッチン、ダイニングなどに取り入れられるケースも増えています。床材として人気のモルタルですが、そもそもモルタルの床は、一体何でできているかご存知ですか?
また実際にモルタル床を取り入れる際には、メリット面だけでなくデメリットにも目を向けた上で選択することが必要です。
今回はモルタル床のメリット、デメリットについてお話をしていきます。生活やライフスタイルを想像しながら、自分たちの暮らしに適している床材かを考えてみてください。
Table of Contents
モルタルとは?
モルタルについてお話する前に「セメント」「コンクリート」「モルタル」の違いについて、解説します。
セメントとは
セメントは、石灰石や粘土などを焼いたのちに粉砕してつくった粉です。水を加えることで、固まる性質があります。
コンクリートとは
コンクリートとは、セメントに水と砂、砂利、砕石などを加えたものをいいます。「生コン(生コンクリート)」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。生コンとは、固まっていない状態のコンクリートのことをいいます。
モルタルとは
モルタルとは、セメントに水と砂(正式には細骨材)を混ぜたものです。コンクリートとの違いは、砂利や砕石が入っていないこと。その違いが、モルタル特有のやわらかさや仕上げのなめらかさにつながります。
モルタルのメリットとは
タイルやフローリングとは大きく雰囲気の異なるモルタル。まずは、モルタルのメリットについて確認していきましょう。
デザイン性の高さ
一般的なモルタルは、タイルやレンガなどの目地に使用されることが多いですが、床材として使うことで、フローリングに比べ無機質な空間を演出することができます。無機質とはいうものの、滑らかさやぬくもりも感じられる点も特徴のひとつといえます。
さらに「モルタル造形」を呼ばれる工法を用いることで、タイルのようなデザインにすることも可能です。
蓄熱性の高さ
熱を蓄えやすい性質を持つ、コンクリート。モルタル床にも同じ性質があり、床暖房と組み合わせることで、効率的に室内環境を調整することが可能です。
冬に直接モルタル床に触れた際に感じるひんやりとした冷たさも解消されるため、床暖房と併用することでその良さを十分に活かすことができます。
お手入れが楽
モルタル床は、硬くなめらかな材質です。凸凹がないため、掃除やメンテナンスがとてもスムーズです。
大体のモルタルの床は防塵塗装が施されているため、ブラシを使った水洗いにも対応しています。
さらに土足利用の土間であれば、ほうきを使い砂汚れなどを外へ掃き出すことができます。多少の汚れは気になりませんから、その点だけでも、お手入れの負担は大いに減るでしょう。
開放的な空間を演出 外部との繋がり
モルタルは外構でも多用されている素材です。そのため、視覚的に玄関ポーチなど、外部空間とのつながりをつくりやすくなります。
自転車やベビーカー、アウトドア用品の置き場などにもなり、住宅としての用途を広げてくれます。広い空間が確保できる場合は、テーブルと椅子を置き、来客時の歓談スペースとして使用するのも良いでしょう。
またモルタル床を使う場合は、壁などで区切ることなく部屋を分けることもできます。モルタル床とフローリングであれば、境目がはっきりしていますから、視覚的にも区切られていることがわかりやすいでしょう。さらに段差を設けることで、間仕切りを使わずとも部屋をやわらかく仕切ることができます。
モルタルのデメリットとは
スタイリッシュで機能性にも長けるモルタルですが、その一方でデメリットも存在します。あとから「こんなはずではなかった」と思うことがないよう、デメリットについても知っておきましょう。
足腰が疲れやすい
モルタル床は、フローリングなどと比べても硬いです。長時間立ちっぱなしの場合、足に疲れを感じることも多いでしょう。またガラス製品などを床に落とした際にも割れやすい、高齢者や子どもが転んだ場合怪我をしやすいといった点もデメリットといえます。
ひび割れ
コンクリートやモルタルは、基本的にクラック(ひび割れ)が入る建材です。そのことを想定した上で、選ぶ必要があります。ひび割れ=デザインの一種と考える人もいますが、一般的には好まれません。ただし、ひび割れをできるだけ防ぐために、目地を入れるなどの対策をとることもできます。その場合、手間をかけた分だけコストがあがる点も注意が必要です。
防音性に欠ける
床の硬さに通じる部分ですが、モルタル床は音が反響しやすく、防音性に欠けるといったデメリットがあります。部分的な土間であれば問題ありませんが、全面をモルタル床にした場合、扉の開け閉めの音や歩いた際の足音が他の部屋に伝わります。
断熱性の低さ
メリットの欄では、モルタルには蓄熱性があるとお伝えしましたが、その一方で、モルタルの断熱性は低いです。冬、夏ともに外部の気温を取り込んでしまうため、冷暖房費のコストがかかります。
特に冬の冷え込みは厳しいため、寒さ対策をしっかり考える必要があります。モルタル床にする際は、あらかじめ床暖房や断熱材などを上手く使うといった断熱対策が重要となります。
まとめ
モルタル床には、デザイン性の高さに加え掃除の便利さ、蓄熱性の高さなど様々なメリットがあります。しかし、イメージだけで取り入れてしまうと「床が冷たい」「音が反響して困る」など、あとから問題が発生することも。
のちのトラブルを防ぐためにも今回お話したメリット、デメリットをある程度理解した上で、ご自身のライフスタイルや家族構成と合わせて検討すると良いでしょう。特徴を理解した上で、モルタル床を上手に取り入れ、素敵な家づくりを始めてくださいね。
052 753 4785
受付時間 AM 9:00 ~ PM 5:00
どんなんことでも、お気軽にon2 Achitects 建築設計事務所にご連絡ください !