コールドドラフトの原因と対策
05 / 07 / 2019
暖房器具を適切に使用しているはずなのに、なぜか部屋が暖かくならないと思ったことはありませんか?その原因は、もしかするとコールドドラフトにあるかもしれません。
暖房器具を新しく購入する前に、今の住まいの状況を確認してみませんか?
今回は、コールドドラフトとは何か、コールドドラフトの原因と対策についてお話します。
Table of Contents
コールドドラフトとは
コールドドラフトとは、暖房によって温められた空気が冷たい窓ガラスに触れ、冷やされ床面に降下して床や部屋全体を冷やしてしまうことを言います。コールドドラフトにより、床と天井では5℃以上もの温度差が生まれるケースもあります。
「エアコンを効かせているのに、足元が寒い」「複数の暖房器具を使っているのに、部屋が暖まらない」などと感じる家は、コールドドラフトが原因かもしれません。
コールドドラフトの原因
住む人にとって好ましくないコールドドラフトが起こる原因は「窓」にあります。なぜ、窓がコールドドラフトの原因となっているのか、詳しくみていきましょう。
窓から熱・冷気が出入りしている
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会では、開口部から熱が出入りする量について報告しています。冬の暖房時には、58%の熱が外に流出し、夏の昼間の冷房時には73%の熱が外から入ってくるとのこと。
つまり、いくら暖房器具を使い部屋の空気を暖めようとしても、50%以上の熱が外に出ている時点で、部屋の温度はなかなか上がりません。さらに外からの冷気が中に入っているとなれば、温度が上がらない理由も納得です。
日本特有の引き違い窓
日本の住宅には引き違い窓タイプが多く使用されています。しかし、引き違い窓は戸車を用いてレールの上を扉が動く仕組みのため、隙間が生じます。
もちろん、気密材を使用し隙間を防いではいるものの、他の形状の扉に比べると気密性は劣ります。さらに経年劣化などにより歪みや縮みが生じるため、年数が経過するごとに隙間風が入りやすくなります。
コールドドラフトの対策
コールドドラフトの原因は、窓にあることがお分かりいただけましたか?ここからはコールドドラフト対策について、お伝えします。
複層ガラスをはじめとした窓のリフォーム
確実にコールドドラフト対策をしたい場合は、二重窓を設ける、複層ガラスに交換するなど、外気温を遮断する方法が効果的です。
引き違い戸で感じていた隙間風もシャットアウトできるため、夏場のエアコンのランニングコストも大きく変わります。
リフォームコストはかかりますが、暖房・冷房効果が高まり、快適性も大いにアップするため、費用対効果は高いです。
長いカーテンや雨戸の活用
現在薄手のカーテンを使っている場合は、厚手のカーテンに交換しましょう。断熱効果を高めたいのであれば、丈は床ギリギリがベストです。カーテンレールのフックを調整することで、長さを変更できます。
また、夜から朝にかけては雨戸を閉めることで、窓と雨戸の間に空気の層をつくることができます。カーテン+窓+雨戸の三重構造をつくり、熱の移動を防ぎましょう。
サーキュレーターの活用
暖かい空気は上部に溜まり、冷たい空気は床付近に溜まります。空気の移動を円滑にするためには、サーキュレーターが効果的。見た目は扇風機に似ていますが、部屋を冷やすことが目的ではなく空気を循環させることが目的です。
部屋の温度差を減らすことで、エアコンなど暖房器具の効きも良くなります。
パネルヒーターの設置
北欧や北海道の住宅で設置されているのが、パネルヒーターです。窓の下に設置することで、窓から入ってきた冷気や窓に触れて冷やされた空気を暖めてくれる効果があります。
表面温度が過度に高くなることはなく、安全性が高い点も特徴です。また、インテリアとしても馴染みやすくリビングやキッチン、洗面室など設置場所を問いません。
窓に断熱アイテムを貼る
現在、市販品の断熱アイテムも多数販売されています。好みのサイズにカットし、窓際に立てかける「窓際ボード」や、窓ガラスに直接貼り付ける「断熱シート」は、低コストのためコールドドラフト対策として取り入れやすいと好評です。
しかしその一方で見た目が気になるといった声も多いもの。来客の目に触れやすいリビングなどは避け、2階や寝室などを中心に検討してみると良いでしょう。
まとめ
コールドドラフト対策として、まずやるべきことは、窓の外からの冷気の侵入を防ぎ、中の暖かい空気を冷やさない、外に逃がさないようにすることです。
今回ご紹介した内容は、気軽に始められるものからリフォームが必要なものまでさまざまです。現在の状況や予算に合わせて、検討してみると良いでしょう。
また今回お伝えした内容は、あくまでコールドドラフト対策の一部です。「寒くて眠れない」「暖房の効きが悪い」といったお悩みの原因が、別の部分にあるケースも考えられます。
今回の記事を参考にしながら、それでも改善されない場合は、信頼できる業者に相談することをおすすめします。
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