イギリス風にリノベーションインテリア創りのポイント

02 / 04 / 2018

イギリス風インテリア

「重厚感溢れるイギリスインテリアに興味がある。」「イギリス人が住んでいるような知的な空間で時間を過ごしたい。」ご存じの方も多いと思いますが、イギリスインテリアは日本だけでなく、世界中で人気があります。今回は重厚感があり細やかで美しく、過ごしているだけで知的になれる、イギリスインテリアの作り方について紹介します。

扉にこだわる

日本では部屋の扉にシンプルな1枚扉を採用することが多いですが、イギリスなどの西洋では、モールで装飾された凹凸感のある印象的な扉を多く見かけます。凹凸やモールで装飾されていることで、1枚扉に陰影が生まれ、その扉があるだけで部屋全体に華やかな印象を与えてくれる効果があります。数多くある扉の中にはガラス付のものもあり、ステンドグラスや植物模様の付いたガラスになるだけでも、雰囲気を大きく変えてくれる効果があります。そしてよりイギリスインテリアの雰囲気を深めたいのであれば、キッチンや洗面台の扉も部屋の扉と同じように変えてみましょう。これだけでかなりイギリスインテリアに近づくことができます。


階段にこだわる

イギリスの住宅で多く見られるのが装飾階段です。映画に出てくるような美しく装飾された階段を上がる時、訪れた人は気分が高揚するでしょう。人が最初に触れる手摺は、縦格子部分に植物柄の装飾が施されているものや、緩やかにカーブが描かれている滑らかな手摺に仕上げられていることが多く見られます。材種は木製だったり鉄製だったりと様々ですが、滑らかに仕上げられた手摺を見ていると、暖かみを感じることができます。階段を考える時は、ただの移動手段としてだけで考えるのではなく、階段を上る人を楽しませてくれるように、手摺だけでも装飾を施してみるといいでしょう。


窓にこだわる

イギリスではディスプレイ窓を採用し、そこに自らが選んだインテリア等を飾ったりしています。そのため、インテリアを飾ることができる奥行きの深い出窓を多く見かけます。また、イギリスで良く見られるのが格子デザインの上下窓です。上下窓を取り付けることで垂直ラインが強調され、外観も内部空間もデザイン的に引き締まるので、フォーマルな雰囲気を演出することができます。日本では引違窓を採用することが多いですが、イギリスインテリアに近づきたいのであれば、上下窓で統一してみるのも面白いと思います。


カーテンにこだわる

窓には縦ラインが強調される床から天井までのカーテンを取り付けることで、空間全体をより豪華に仕立ててくれます。イギリスの場合、カーテン自体がまるで西洋の貴婦人がまとっているドレスのようなふくらみをもった長いカーテンを見かけることがあります。このようなカーテンをインテリアに採用することで、よりイギリスインテリアの雰囲気を演出することができます。また、カーテンを吊り下げるカーテンレールにもこだわりを忘れてはいけません、ただのレールではなく、アンティーク調のポールや、カーテンレールを隠すモールカバーを取り付けることで更に雰囲気を変えることができます。


暖炉にこだわる

イギリスの住宅でかかせないのが、暖炉です。イギリスは冬の時期、とても寒くなるので住宅の中心には、暖炉が設置されています。暖炉自体もモールや装飾が施されていて、まるでアンティークの家具のように見えます。暖炉は寒さをしのぐ時にも効果があるので、空間に余裕があるのであれば、暖炉も採用してみるとよりイギリスインテリアな雰囲気を演出することができるでしょう。


取り合いにこだわる

イギリスの住宅の特徴として、取り合い部分にこだわるという特徴があります。どのようなものがあるのか紹介します。

 

コーニス

壁と天井の取合い部分にコーニスと呼ばれる部材を見ることができます。コーニスは石膏等でできていて、まさに壁と天井のつなぎ目を和らげてくれる効果があります。

 

チェアレール

壁の中心あたりにこの部材を設置することで、壁のデザインを上下で分けることができるので、より濃厚な空間を創り出すことができるようになります。


キッチンにこだわる

イギリスでは、キッチンはパブリックな場所として考えられています。日本では調理器具や調味料はできる限り隠すことを考えますが、イギリスでは食器や調理用具から調味料を入れるビンまでインテリアの一部として考えます。よりイギリスインテリアに近づけるのであれば、調味料などは商品名の見えないシンプルなビンに入れ替えてみて、そして食器を飾って収納できる飾り棚を設けてみる、壁にはタイルを貼り、その壁に調理器具等を吊るし、展示しながら収納するとより雰囲気を近づけることができます。


照明にこだわる

日本では天井付照明が一般的ですが、ヨーロッパでは壁付照明を用いるのが一般的です。天井に照明を設置することもあるのですが、日本のように全体を均一に照らすベタ付の照明ではなく、シャンデリアのような吊り照明が設けられています。真下を直接照らすような天井付照明ではなく、壁付や置型照明のように真横から照らすことで、よりクラシックな雰囲気を創り出すことができます。


まとめ

イギリス人は住宅をただの物としてではなく、文化として考えているため、土地に執着し、家を何回も立て直す我々日本人とは根本的に考え方が違うのかもしれません。イギリス人は、住宅を高級家具と同じように、愛着を持ちながら丁寧に時間をかけて手入れをしながら暮らしています。今住んでいる住宅が、仮に自分達がいなくなったとしても、その住宅を大切に扱ってくれる人がいればいいとおっしゃる方々もいます。イギリスインテリアに興味を持って頂けたからこそ、イギリス人の住宅に対する考え方についても理解し、そして年月が経てば経つほど味が出てくるようなインテリア創りを参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

高校卒業してからすぐ、アメリカへ渡りました。カンサス州立大学で建築を学び、プラハそしてリバプールとヨーロッパで建築のキャリアをスタートしました。アメリカやヨーロッパの街並や景観の美しさそして考え方の違いなど、様々な雰囲気を肌で感じ、さらに グラフィックデザイナー、写真家、ミュージシャン、脚本家など色々な人々との出会や関わり合いの中で受けた影響があったからこそ、成長することができ、今の自分があると思います。
建築をやっていて苦しい事や楽しいこともありますが、どっちかと言うと苦しい事の方が多いかな?だけど何より楽しく仕事をすることが一番だと思っています。ご提案の時に考えることはいつも“そこに自分も住でみたい、行ってみたいと思えるかどうか。そんなことを考えながら シンプルで合理的なわくわくする建築を生み出してゆきたいと思います。

中川 広光
Hiromitsu Nakagawa

 

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